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あ〜お | ||
嵐が丘 | いつか晴れた日に | エリザベス |
青いパパイヤの香り | ACRI | いまを生きる |
アベンチャーズ | 愛と精霊の家 | インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア |
ウエディングシンガー | 雨に唄えば | アボンリーへの道(TV) |
か〜こ | ||
夏至 | 金玉満堂/決戦!炎の料理人 | 君さえいれば/金枝玉葉 |
心の旅路 | この森で、天使はバスを降りた | グローリー |
風とライオン | Kids Return | グレートブルー |
クリムゾン・タイド | 刑事ジョン・ブック/目撃者 | 御法度 |
さ〜そ | ||
戦場のメリークリスマス | さらばわが愛 覇王別姫 | 双生児 |
ショコラ | シャーロットグレイ | 小説家を見つけたら |
写楽 | 少林寺 | JFK |
宋家の三姉妹 | ジョイラッククラブ | サブウェイ |
商道(TV) |
た〜と | ||
ドライビングミスデイジー | 大長今(TV) | 追想 |
ティファニーで朝食を | チャーリー | 宝島 |
大脱走 | 敦煌 | ターナー&フーチ/すてきな相棒 |
テス | トリック(TV) |
な〜の | ||
ネバーエンディングストーリー | 長崎ぶらぶら節 | |
は〜ほ | ||
ハムナプトラ/失われた砂漠の都 | 花の影 | ピアノを弾く大統領 |
昼下がりの情事 | フリーダ | ベンハー |
白雉 | プリシラ | 薔薇の名前 |
HERO | ピアノレッスン | ブラス! |
フライド・グリーン・トマト |
ま〜も | ||
MUSA 武士 | マーサの幸せレシピ | ムッソリーニとお茶を |
マイ プライベート アイダホ | 壬生義士伝 | 森はいきている |
もののけ姫 | ムーランルージュ | MISTY |
や〜ら〜わ | ||
ラストエンペラー | ラスト オブ モヒカン | 恋愛小説家 |
ユージュアル・サスペクツ | ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎 | ロード・オブ・ザ・リング |
若草物語 | ロレンツォのオイル/命の詩 | |
☆注意!!☆
基本的にネタばれしてます。
差し支えない程度だと自分では思ってますが、お嫌でしたら読まないでね。
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嵐が丘 | 1992年:英国:105分:ピーター・コズミンスキー監督作品(ジュリエット・ビノシュ/レイフ・ファインズ) |
【ストーリー】 |
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【感想】 |
1995年:英/米:136分:アン・リー監督作品(エマ・トンプソン/ケイト・ウインスレット/アラン・リックマン) | ||
【ストーリー】 |
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【感想】 |
エリザベス | 1999年:英:124分:シェカール・カプール監督作品(ケイト・ブランシェット/ジョゼフ・ファインズ/ジェフリー・ラッシュ) | |
【ストーリー】 カトリックとプロテスタントの争いが激化する、16世紀のイングランド。エリザベスは、腹違いの姉で、彼女をロンドン塔に幽閉したメアリー女王の崩御後、世継ぎとして若干25歳の若さでイングランド女王に即位する。エリザベスには愛する恋人ダドリーがいたが、女王の立場は関係の緊迫した隣国との政略結婚を迫る。様々な謀略が渦巻き絶えず命を狙われるエリザベス。そんな苦悩が続く中、カトリックの最高権力・ローマ法王による謀反計画を知ったエリザベスは、対抗権力の粛清を行う…。エリザベスが諸国の国王達と結婚せずに絶対君主としての決意を固めるまで。 |
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【感想】 何を隠そう、私はこのケイト・ブランシェットという女優さんが大好きである。そして、この相手役のジョゼフ・ファインズは(前述した『嵐が丘』のレイフ・ファインズの末の弟だが)あまり好きではない。兄はあのむせ返るようなナルシズムには好感が持てるが、濃いだけの弟は中途半端で苦手だ。(私が変なだけ)だから本当は兄と競演した『オスカーとルシンダ』のレヴューを書こうか迷ったんだけど、この映画はかなり話が好きなのでこっちにしました。 この年、『恋に落ちたシェイクスピア』にアカデミー賞では惨敗したが、今となってはこちらの方が映画史には残っているんじゃないだろうか?ケイトの演技は『恋に落ちた〜』のグウィネス・パルトローより絶対良かったし、怪優クリストファー・エクルストンやファニー・アルダン、ジェフリーやアッテンボローまで出てる…。公開時は本当にびっくりしましたよ・・・。 で、話の方は・・・一言で言うとハリウッド的じゃない。いや、エセハリウッド的(良い意味で)カンフーではない香港映画が好きで、イギリス映画の暗くて泥臭い感じが好きで、決して史実にとらわれない映画を否定することなく、歴史物に入るラブロマンスに拒否反応を示さない人間(つまりワタクシ)におすすめ。英国映画の良さを保ちつつも、娯楽性を忘れることなく、でもこれがワシの映画じゃー、文句があるならゆぅーてみぃやっ。という強い監督の心意気が感じられる。 エリザベスの政治立場によってだんだんと変化していくカメラワーク(暗いと批判された)に私は感動し、偶像としてのエリザベスが出来上がるまでのプロセスを、史実を巧妙に作り変えたフィクションとして堂々と作り上げた監督に拍手を送りたい!!日本人の私には解りませんが、イギリス人には「こんな事当時はあるわけねーべ」というところは確かにあるはず(『ラストサムライ』公開時のワタクシ)・・・「そんなん当たり前じゃん、ワシ、インド人だもん。ふんじゃイギリス人が作った『ガンジー』はどうすんダヨ。」(こんな言い方はしてません)と、堂々とアッテンボローに言ったカプール監督に拍手を送りたい。クリスチャンではない監督だから描きえた、政界と教会の癒着、プロテスタントとして教会を利用し返したエリザベスの政治手腕や、女としてのしたたかさ、史実としてよりも女王エリザベスの生き方に焦点を当てているのがすごく感じられます。それを演じきったケイト!!誰がなに言おうと私はこの映画かなり好きです。 【愛情の深さ】 ルキノ・ヴィスコンティのルードウィヒ程暗くならず、エリザベスのやった数々の残虐行為をオブラートに包み、観客をだましつつもケイトを一役スターダムに持ち上げた監督、付いて行きます。 120点 |
武士 MUSA | 2001年:韓/中:133分/154分キム・ソンス監督作品(チョン・ウソン/アン・ソンギ/チャン・ツィイー) | |
【ストーリー】 1375年、朝鮮の高麗は明朝と友好関係を築くため、南京城へ使節団を遣わした。しかし、城に辿り着いた使節団はスパイ容疑をかけられ、広大な砂漠地帯へ流刑される羽目に。ところが一行は、砂漠へ向かう途中、明を目の敵にする元軍の襲撃に遭い、使節団を連行していた明の兵士が全滅してしまう。図らずも解放された形となった使節団のチェ・ジョン将軍(チェ・ジンモ)は、わずかな水と食料にも故郷・高麗へと向かう決死の行軍を決断する。その帰途、一行はランブルファ将軍(ユー・ロングァン)率いる元軍と遭遇、彼らに捕らわれていた明のブヨン姫(チャン・ツィイー)に助けを求められる。チェ将軍は帰国を中断、圧倒的不利を覚悟で姫の救出へ乗り出すが…。 インターナショナルヴァージョン(以下インタVer)はとにかく殺陣が目立った仕上がりだったが、オリジナルヴァージョン(以下オリジVer)は25分も長いだけあって高麗武士の様々な人物背景や、絡みなどが描かれていて人間ドラマとしても見ることが出来る。 |
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【感想】 本当はあいうえお順に書こうと思ったんですが、我慢できずに書いてしまいました。ちなみに、ウチにはこのDVD3本あります。@中国本土版A日本版の2枚組みのものBディレクターズカットヴァージョン(オリジVer)・・・ ええ、もうアホと呼んでください。何がそんなにジャストミートしたのか、それは、俳優チョン・ウソンとアン・ソンギの存在感とワイヤーアクションではないという事。 01年の映画なのに、日本で公開されたのは03年。映画雑誌『CUT』でその映画の存在を知り、待ち続けて2年。待ちきれなくなって字幕なしで鑑賞。『HERO』や『グリーンディスティニ−』、『ラストサムライ』と比べられる事が多いですが、なんで?って感じ。それだったら『プライベート・ライアン』とか、戦争映画と比べた方が良いんじゃないの?ってくらい血が飛んだり首が飛んだりして・・・そこんところは早送りたい衝動に駆られる。 だけど、オリジVerを見ると、故郷に帰りたいそれぞれの胸中も描かれていて、その激しいアクションシーンに、死に物狂いでも生き残って家に帰りたいという凄まじい生への執着を感じる。 その点、インタVerでは故郷に帰る意味のない主人をなくした奴隷であるヨソル(ウソン)が、いくら姫を守りたいからといって、一斉攻撃されている砦に走って帰るというのは実際のところ理解できなかった(だって言葉通じないのに・・・本人達はフィーリングで意思の疎通しているみたいなんだけど。)まあ、結局のところはお互いが、韓国人が大好きな純愛フォーリンラブだってことが映画を観ている私達には解るんだけど・・・いや、でもさぁ・・・自分を奴隷としてしか見ないコリコリの将軍に足蹴にされたりして、故郷に帰ってもこんな生活が続くんだったらいっその事ランブルファ(元の将軍)の誘いに応じようか(部下にしたいから彼だけ助けようとするんですな。)とか考えるのが一匹狼ヨソルじゃないんか?と思いましたよ。 それが一転。オリジVerでは、主人をなくして自暴自棄になっているヨソルに対して、下級軍兵士たちが徐々に仲間として接して行くシーン(家族は居ないのかーとか笑いながら話してるし)が入り、一番年若いダンセンなんか、ヨソルのことを「ヒョン!(兄貴!)」なんて呼んでるし。身分を考えたら普通ありえないのにね。 使節団の正規軍(琥龍軍)、その下に位置する下級軍(主鎮軍)、漢族の難民達等、度重なる攻撃により外交官達は死に、護衛していた軍しか残らなかった使節団。極限状態の中で身分や役職の均衡が崩れ、徐々に生き残るために最善の策を講じるようになる。殺陣シーンが汚いって評論家から散々バカにされてたけど、じゃあ、『グラディエーター』は綺麗だったのか?と思うワタクシ。綺麗なワイヤーアクションを見たければ『グリーンディスティニー』をみれば良い。これは、史実を元に監督が作り上げたフィクションであり、14世紀を舞台にした戦争映画なのだから。ただ生き残って故郷に帰りたい、家族に会いたい。後には引けないから戦う、という映画です。 だから死ぬ人多すぎます。戦争映画は嫌いです。私もラストを知っていれば見ませんでした。が、今となってはチョン・ウソン氏とアン・ソンギ氏を(恥ずかしながら)初めて知った映画でもあり、ものすごく好きな映画です。 いや、本当に俳優で今いち押しなのはこの二人です!!ヨン様なんて目じゃありません。 韓国ドラマ『茶母』(NHKでは『チェオクの剣』)がお好きな方は多分泣くでしょう。 【愛情の深さ】 映像70点、俳優1000点、音楽150点、ストーリー、人間ドラマとしては使い古されているネタですが、オリジVerに限り98点!! 韓国ドラマの好きな奥様達は絶対見ないとは思いながら、薦めてしまう(で、怒られる。)映画。私の韓国映画へのアレルギーを見事払拭してくれた作品として、語り始めたら夜を明かしちゃうくらいの映画。でも、好きかと聞かれると言葉に詰まる。不思議な作品。とにかくウソン!ウソン!!アン・ソンギ!!な映画。 |
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さらば、わが愛 /覇王別姫 |
1994年:香港:172分:チェン・カイコー監督作品(レスリー・チャン/コン・リー/チャン・フォンイー) |
【ストーリー】 1900年代初頭の北京。身を持て余した遊廓の母に捨てられ、京劇の養成所に入れられた小豆(後にレスリーが演じる)。淫売の子といじめられる彼を弟のようにかばい、辛い修行の中で常に強い助けとなる石頭(後にフォンイーが演じる)。女形として選ばれたが、なかなか女に成り切れない小豆。それを常に兄のように守り続ける石頭。やがて成長した二人は、それぞれ“程蝶衣”、“段小樓”と名を変え、京劇界きってのスター、名パートナーとなる。 蝶衣は小樓に対し、常に変わらぬ友情以上の愛を持つが、それを負担に思い始めた小樓は遊郭の女、菊仙(コン・リー)を妻に迎える。自分が演じてきた劇中の人物さながらに心は女である蝶衣は、小樓に対する遣り切れない気持ちのため菊仙と常に対立する。 やがて、生命の危機を前に、非情な選択を迫られる激動の時代の中では、信頼と愛情で繋がれたはずの蝶衣と小樓の二人の間に決定的な亀裂が生じる 役者の利点を最大限活用して世の中をこずるく泳ぐ小樓に対し、京劇と小樓しか見ない蝶衣。新しい時代を迎えた京劇を前に、昔ながらの厳しい特訓を信じる“程蝶衣”はひとり取り残されていく……。 そして、文化大革命のあの日。蝶衣と菊仙の二人は、小樓から思いもよらない裏切りに合う。全編に漂う何とも言えない遣り切れなさに、虚しさばかりが残る。 |
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【感想】 誓って申しますが、私はゲイは好きじゃありません。だけど、レスリーは好きでした。(モノホンのゲイ)そしてこれ以上のアジア系映画にまだ出会っていません。 劇中の「私は女であって男ではない」という台詞を必ず「私は男であって女ではない」と言ってしまう小豆(蝶衣)。それは彼自身の姿だったんですよね。どんなに心は女で、どんなに愛しても、小樓からすれば弟としか見てもらえない。それもあろうことか娼館の女と結婚されてしまう。蝶衣は娼館で生まれたけど男だったから養成所に売られてきたのだから、これほど自分の存在を否定されてしまえば、アヘン中毒にもなるわな・・・。 それが最後、文革のある日に小樓は蝶衣のことだけではなく、自分の妻である菊仙まで告発する。そこで蝶衣の中で何かがはじけ、彼もまた菊仙を告発してしまう。いきり立った群衆が去った後、目を合わせる菊仙と蝶衣。ここでお互い実は同じ境遇の者同士だった事を、冷静に、しかし言葉を交わさずに理解したんだと思う。そのまま菊仙は首を吊る。数十年後、再び『覇王別姫』を併せる二人。あの台詞、「私は男であって女ではない」を再び口にしたとき、蝶衣は劇中さながらに刀で命を絶つ。 ちょっとまって、涙を拭くから!!これを、『昼メロだー』って思ってしまった方。見ないでいいよ。いや、それよりも是非観てから批判してくれ。 蝶衣を演じたレスリーは差し替えなしで自分で全部演じています。化粧したら本当に綺麗なんだけど、素顔のままの方がなぜか色っぽい。芸に生きた人生、セクシュアルの問題、自殺、どれをとっても今見てみると、驚くほどレスリー自身を彷彿とさせる内容です。 チェン・カイコーについて言えば、この映画の後から路線が微妙に変わってきちゃいましたね。やはり彼には金髪美女も超高予算映画も似合いません。光と影、20世紀初頭の中国本土が似合います。彼の映画ではやはり、これが最高作品です。これには原作があって、(何バージョンもあるので原作ともいえないですが…)ラストが違います。原作ではラスト、自殺を図った蝶衣は死に切れずに、結局は人生にやり直しは効かず、自らも女になりきれなかったことに無情を感じながら小樓と分かれて2度と会うことは無い、というところで終わります。 でも映画に関して言えば、カイコー監督によって見事に料理された!という感じです。むしろ原作よりもハッピーエンドです。彼は呪い続けた自分という存在から虞姫を演じながら死ぬ事によって開放されたのですから。 レスリーなくしてこの名作は生まれなかったし、多分彼が蝶衣を演じなかったらこのようなラストにはならなかったのかな?とも思います。監督のこれ以上の作品はないし、これを越すレスリーの出演作も無いと思います。とにかく初めて観た時のあの衝撃・・・。もう一度言わして。これ以上泣いた映画は『戦場のメリークリスマス』だけ。未だに毎年観ています。 【愛情の深さ】 無限大。点数なんかつけらんない。 コン・リー好きなんだけど、これはとにかくレスリー。始めてみたとき、私はまだ中学生だったけど、同じ年にカンヌでパルムドールとった『ピアノレッスン』が子供だましに思えましたね。 |
戦場のメリークリスマス | 1983年:日/英:123分:大島渚監督作品(デヴィッド・ボウイ/坂本龍一/ビートたけし) | |
【ストーリー】 終戦間際のジャワ、スマトラ島。俘虜収容所所長に任命されたヨノイ大尉(坂本)は、連合軍俘虜ジャック・セリアズ少佐(ボウイ)の裁判に立ち会う。彼に興味を持ったヨノイは死刑を撤回して収容所に連れ帰る。そのころ収容所では、叩き上げのハラ軍曹(たけし)と、イギリス人のローレンス大佐の間には看守と俘虜の立場を超えて奇妙な友情が芽生えていた。ヨノイとセリアズの二つの強烈な個性の存在が、収容所の中に波紋を引き起こしていく・・・。 『虜囚の辱めを受けず』の日本人と『生き残る事が使命』の欧米人たち。決して交わる事の無い思想の狭間でゆれる個々の人間性。 ラストのたけし氏の笑顔とテーマ曲『Merry Christmas Mr.Lawrence』はあまりにも有名。 |
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【感想】 何度も言いますが、私はゲイが好きではありません。でも邦画ではこれは私のベストムービーです。戦闘シーンの出てこない戦争映画ですが、これほど戦争を表現した戦争映画は他に無いと思います。サントラを買ったとき、坂本氏は英語はサイテーに下手糞だけど、やはり作曲家としては、その感性に感動しました。『Germination』(発芽)『Seed and the Sower』(種と種蒔き人)など、聖書からの引用が多数あります。この曲の題名から初めて、原作者の書いたテーマが見えました。 ラスト近く、武器の専門家を出さないと皆殺しにするといきり立つヨノイ。そこへゆっくりと歩みようセリアズ。彼はおもむろにヨノイのほほにキスをする(あのシーンは映画ではいかがなものか?原作では頬擦りとあるのに!!) そしてセリアズは生き埋めにされ、処刑されます。夜、事切れたセリアズの髪を切り取り敬礼するヨノイ・・・。セリアズは全てを許したのでしょう。そして、戦う事をやめたかったのでああゆう行動に出たわけです。 つまり、セリアズは戦争下の収容所という精神の極限状態において、個々の人間性(感情)という種を蒔いたんだということ。特に日本人は御国第一だったわけですから、ハラにしても、個人的にはローレンスに対し敵国の好敵手として尊敬しているし、好意も持っている。だけど自分の立場や階級の中ではそれはあってはならない事だったわけです。このハラという人物は中々複雑なキャラクターで、学が無いにもかかわらずローレンスとよく話すわ、ヨノイから特別扱いを受けるセリアズに興味を抱いて夜中に一人で収容所に忍び込むわ、マリリン・モンローの夢は見るわと、軍規に違反したかと思えば、上官命令には絶対服従し、ヨノイよりも冷酷なところを見せる。かと思えば、無実と解ったとたん、ローレンスとセリアズを上官命令に反して【クリスマスプレゼント】として釈放する・・・・。たけしさんにしか出来ない役でしょ。ホントに。 映画の中でのローレンス大佐は、戦前を日本で過ごした背景を持つリベラルな人間として描かれています。ですが、真に日本人を理解できたのはむしろセリアズのほうで、ローレンスは最後まで歴史の傍観者に過ぎません。ある程度は理解できるが、それで自分から何かの行動に移るわけではない、人間の弱さの象徴のようにも見えます。 ラストシーンの獄中のハラに面会に行くシーンを見ても(ここはぜひ、映画ではなく原作を見て欲しい)『私はあなた方にはほかの日本人より親切に接しました。そうは思えなくてもそうなのです。あれは自分の職務だったから仕方が無かった。私の罪とは何ですか?』(大体こんな感じ)とのハラの問いにローレンスは答えられない。ローレンスはそれをよく知っているし、もし自分がその立場にあればハラをすぐにでも釈放したいと願っているから。でも、『あなたに罪なんか無い』とは立場上、感情の上でも言えない。そのジレンマ。ハラが心で願っていたのはその場においてのローレンスの友情だったのに、彼は言葉を濁して立ち去ろうとして後ろ向きます。そこで 『ローレンス!!』 『メリークリスマス!メリークリスマス。ミスターローレンス。』 ローレンスとは反対に、現実を受け入れ、職務から解放されたハラの笑顔でエンドロール。でも私が思うに、彼の笑顔は自分の死ななくてはいけない理由を探し、でも見つからなくて日本人特有の方法で自分で理由をこじつけた後の虚しさの象徴だったのではないでしょうか?ローレンスに良心の呵責を与えないように見せた笑顔かもしれません。確かにハラはローレンスに2度目のクリスマスプレゼントを渡したわけです。一言言って良い?映画じゃなくて、原作を読もうよ。 【愛情の深さ】 原作・・・無限大 映画・・・82点(ゲイっぽくしてるから) 音楽・・・100点 私は『戦メリマニア』なんで、『Merry Christmas Mr.Lawrence』だけでもいろんなヴァージョンで6.7枚はCD持ってますね。 |
Kids Return | 1996年:日:108分(北野武監督作品)安藤政信/金子賢/森本レオ/寺島進 | |
【ストーリー】 いつもつるんで、学校に行っては問題を起こしていた18歳のマサル(金子)とシンジ(安藤)。彼らのやることといえば授業サボって、教師(森本)を馬鹿にして、校庭で二人で自転車の曲乗りをする事くらい。ある日、カツアゲした高校生の助っ人にノックアウトされてしまったマサルは、ボクシングに目覚め、ジム通いをはじめる。付き合いでシンジもジムに入門し、ふたりはボクシングの練習に没頭する。ある夜、ヤクザに絡まれたふたりは、若頭(寺島)に助けられるが、その迫力にマサルは感動する。高校生活も終わり、いつの間にかシンジはボクシング界の逸材に成長していた。だが、ジムにはマサルの姿はなかった…。マサルはヤクザになって再びシンジの前に現れる。そして数年後。自らの不摂生によりボクサーとしての人生を立たれたシンジの前に、若頭の死と共に組での立場をなくしたマサルが現れる。 ラストシーン、学生のときのように校庭で自転車の二人乗りをしながらの台詞「俺達、もう終わったのかな。」(シンジ) 「バーカ、まだ始まっちゃいねぇよ」(マサル) があまりにも有名な名作。 |
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【感想】 永遠の少年、北野武がバイク事故を経て後、復帰後初めて撮った作品。 私のこの作品との出会いは久石譲のCDに入っていたこの映画のエンディングテーマ曲でした。突き抜ける疾走感・・・。もー脳天かち割られちゃって、これは観るしかないと。で、観てみたらこの映画の全てが好きになっちゃってた。 とにかくあのラストシーン。一気に青春を駆け抜けた二人が再び出会い、母校の校庭で上のような台詞を言うんだけど、その台詞に至るまでの紆余曲折・・・。 若者特有のエネルギー、雑草のようなしぶとさ。そして簡単に壊れる精神、彼らの暴力性は自分の弱さを隠すための鎧なんですね。自分達がバカにしていた同級生達がまっとうな人生を歩んだり、死んだり、思いがけず一歩一歩成功していたり、まっとうに生きているから良い人生を送れているわけではないけど、確かに自分の足で立っている。マサルとシンジはラストになってようやく、人生を自分の足で踏み出そうと、その事実に気づく。 世の中で落伍者の烙印を押されたオチコボレ達に対する監督の視線はあくまでもシビアだ。それも、まっとうに生きているものたちに対しても同じくシビアだ。 でもそこに、監督は自分の人生を投影しているのだろう。人生はいくらでもやり直せる。若いならなお更。そして、多分、やり直せないならそれは自分が悪いというシビアな現実も同時に発信している。 まさに『キッズ・リターン』若者・帰る、どこに?夢から現実に。かっこ悪くても良い。挫折の分だけ大人になれる。同時に彼らはたくさんの挫折を経験したが故に、これからもしぶとく行き抜けるでしょう。 やられた。まさにそのとおりだ。泣けた。この映画でデビューした安藤君がすごく若々しい。でも私のなかではむしろ、マサル役の金子健の方がすごく良い。この頃は『ごくせん』のてつ役とか、めっきり脇役俳優に徹しちゃってるけど、この映画のときから、私のだいすきな俳優なのだ。あの世の中を舐め切ったガキを演じた彼は、今ちょっと3枚目も演じられる引き立て俳優になった。 なんかうれしい。 【愛情の深さ】 年に一度は観たくなる。最高の青春映画。人生は甘くないといいつつも、人生に立ち返る若者というラストにするたけし監督のロマンチズムが○。 たけし作品ではピカイチ。98点! |
ACRI | 1996年:日:108分(石井竜也監督作品)江口洋介/浅野忠信/藤竜也 | |
【ストーリー】 ジャーナリストの羽岡(江口)は、オーストラリアの海洋大学の佐古田教授(藤)が唱える“人間は人魚から進化した”という学説を信じていた。彼は、ある海難事故で奇跡的に助かった青年・密(浅野)が人魚と関係があるのではと疑問を抱き、調査を開始する。彼はその前にも、海難事故で恋人を失いながらも奇跡的に助かった過去を持っていた。 |
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【感想】 誰にどういわれようとも、『河童』と『ACRI』の2作品はめちゃくちゃ好き。なんたって監督は米米クラブのカールスモーキー石井ですよ!!私は米米のコアなファンでは無いので、解散劇や、石井さんの暴言のことは良く知らないし、そういうことは特に興味がありません。 ただ、興行的に最悪だったにしろ、脚本が甘かっても、何が言いたいのか解らないといわれようが、クリーチャーが嫌にチャチくっても、金のムダと買いわれよーが、私は好きなんです。 本当は『河童』の主題歌の『手紙』という曲がものすごく好きで、今もシングル保存しているくらいなんですが、映画としてはむしろ失敗作といわれた『ACRI』の方が好きでした。 人間の起源が海にあるな〜んてアホな学説(失礼)、本当に唱えている学者さんはいらっしゃる様で、なんか色々ドキュメント撮っちゃったりとか、無駄な事してたって聞いたんですが、本当なんですかね? 私は進化論そのものを信じていないんで、こんな事を科学者が唱えている事が信じられないんですが、この映画の美学、やられた・・・。 こんなアホなことを周りにも理解してもらえるだろうと勘違いして映画にしちゃって、音楽にCHARさんまで引っ張り込んで・・・その夢想家で勘違いところ!大好きだ〜!! 散々馬鹿にしていますが、それが好きってのはもはや病気ですね。ワタクシ。この映画のジャケと映画の内容が一致していないところとか(でもこのジャケすごく好き)突っ込みドコロありすぎなのですが、浅野さんの存在感とか、藤さんの渋親父っぷりとか、なんかあまりにも普通な江口さんが見られます。でも浅野さんの一人勝ちでしょう。何にもやってないのにあの存在感は反則でしょう。あの役を他の俳優さんにさせていたら見るものが本当に無くなっちゃう映画ですね。 なんたって人魚とか、密が行方不明の間に何があったかとかをあんなに映像で見せちゃイカンですよ。観客はあれで幻滅しちゃったと思うんですよ。よくできたミイラを使うなんて素敵〜なアイデアだったんだから、(教授は記者にその人魚のミイラを見せて、人魚は本当に居るんだ!と力説する。) 人魚はセンサーの影だけとか、シルエットだけとか、密の体の異変だけでこう、想像させる!ていうテクが欲しかったですね。 せっかくオーストラリアロケでしたっけ?して、映像がメッチャ綺麗なんでもったいない!!ビミョーなエロスは必要ないし、見せない方がむしろ謎を呼んで、観客はうまく騙されたと思うし、石井さんは多分またけったいな映画を撮ってくれていたと思います。 ラストは浅野さんの独壇場!結局は自分は人間じゃないから海に帰っちゃうっていう『スプラッシュ』のトム・ハンクス状態・・・。上手い(演技が) ていうか、これは日本版『スプラッシュ』?うーん・・・。問題はやっぱり監督の腕だったって事?もったいないなー。でも誰が何と言おうと私は好きです。 【愛情の深さ】 風当たりが強い分意固地になっている感あり。浅野さんがすごい。なにが?と聞かれると困るけど石井監督作品はすごく好き。つっこむのも好き。 トホホ感はジェームス・キャメロン監督の『アビス』と同レベル(内容がすごくいいのに詰めが甘すぎ)でも80点。 |
ラストエンペラー | 1987年:伊/英/中:163分(ベルナルド・ベルトリッチ監督作品)ジョン・ローン/ピーター・オトゥール | |
【ストーリー】 清王朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀は3歳で西太后の使命を受けて皇帝に即位する。幼い皇帝はその後歴史の波に揉まれわずか7歳で退位、しかし外に出る事は許されず、イギリス人教師に学び、いつしか外の世界で留学する事を夢見るがそれもかなわない孤独な少年時代を経験する。 その後中華人民共和国成立と共に紫禁城を追われ、日本満州軍に利用され、満州国皇帝となるも日本降伏と共に戦犯となる。 時代に翻弄され続けた孤独な皇帝の一生を壮大なスケールと制作費で描いた歴史ドラマ。 |
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【感想】 ま、坂本龍一のファンなら観なきゃもぐりって映画で(そっちかい!)子役達が可愛い事!ジョン・ローンはこの後、勘違いなトホホ人生送ってらっしゃる模様(もったいないね〜)美形俳優さんだったから鼻高々にならず堅実に仕事こなしていたら今頃尊敬されていたでしょうに、今じゃバカの代名詞にされていますね。 でも、溥儀役のときのサングラス姿のカッコいい事といえば、『マトリックス』のキアヌなんて目じゃありません。 私は彼がその後、前述の『さらばわが愛、覇王別姫』を蹴って出演した『Mバタフライ』も嫌いじゃありませんでしたが(興行的には勿論大コケしました) あれはジェレミー・アイアンズの恍惚としたラストの自殺シーン(しかもドーランで顔思いっきり白塗り)を見るためのものであって(悪趣味な映画だよ。全くもって!) 劇中、ジョン・ローンはは女装したスパイで、ジェレミーをカモっちゃうワケだ。でもさ、ボッコリした喉仏見て男って気が付かないのはよほどの近眼でしょう。ジョン・ロ−ン声太いからあれじゃオカマさんだよ。ていうか一言言って良い? あんたアホでしょ! って、『Mバタフライ』のレビューじゃないっての!!とにかく、ベルトリッチの代表作。でも、この後の『シェルタリング・スカイ』で嫌気がさして彼の映画はその後観ていないんですが(すいません、『ドリーマーズ』も観てません。) 中途半端なオリエンタリズム、本物の紫禁城、世界の坂本の音楽(ディビット・バーンのパートは無視)、コオロギ、溥儀を徹底して時代の犠牲者に仕立てた点、ビミョーな老け顔の晩年の溥儀・・・あれっ?なんだかトホホな映画っぽい? 同じ年に『火龍』というラスト・エンペラーの中国版便乗映画が香港資本で作られてるんですが、収容所から出た溥儀が市井の人として描かれていて興味深いです。皿?か何かを磨くシーンとか。併せて見るとちょうどいいのかもしれません。 溥儀という人は本当は男色家で、プライドの高さからあらゆる政治体制からプロパガンダの格好の対象にされ、性格破綻者のところがあり、清王朝皇帝としては4年しか在位できず、最後には一市民として死に、死してまた映画等で祭り上げられたという踊らされ人生な可哀相な方ですが、歴史の被害者としてだけ見るのには疑問が残り、加害者の面も無視できません。 ですがこの映画が成功したのは溥儀の孤独感をよく掴んでいたからだと思います。特に第二婦人が雨の中去っていくシーン、あそこで流れた『RAIN』という曲は、映像とまさに一体となっていて本当にすごい!! 甘粕が片手だったてのは真っ赤な嘘だし、彼はあんなに若くは無かったし、ちっとも英語が上達していない坂本さんを見ると笑っちゃうけど、音楽は彼が担当してよかった。(戦メリと違ってはまってるとは思えないから出演はしなくてもよかったが。) 川島芳子も中国人なのは変。だーけーど、映像や編集は流石に上手い!ラストシーンはすごく好き。ラストシーンを見て、『アー観てよかった』って思える。でも、せっかくだから溥儀がドンドンと狂気に蝕まれていく様を克明に描いたほうが歴史重みを感じさせるいい映画になったんじゃないかなあ・・・。 【愛情の深さ】 好きな映画ほど突っ込んじゃうのは私の悪い癖ですが、80年代末にあれだけ美しい映像で映画作った事はすごい!紫禁城使ってるし。ただ、もっと日本人使って欲しかったので65点。 音楽のみで言うと120点!(でもあのオープニングテーマはセンス無いんじゃない?実際エンディングテーマのみが有名になっちゃったしね) |
ドライビングMISS デイジー |
1989年:米:99分(ブルース・ベレスフォード監督作品)ジェシカ・タンディ/モーガン・フリーマン | |
【ストーリー】 人種差別も根強い1948年。長年勤めた教職を退いたデイジー(ジェシカ・タンディ)は元気いっぱいで頑固、かなり偏屈な南部のおばあちゃん。車もバンバン乗りこなしていたがある日、運転中に操作を誤りあやうく大事故を引き起こしかける。無くなった父の跡を継いで会社の社長となっていた息子のブーリー(ダン・エイクロイド)は、そんな母の身を案じ、専用の運転手を雇うことにした……。 |
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【感想】 どっかのサイトに、『黒人と白人の友情を偽善的に描いた映画』って書かれてて、ショックを受けたんですが、私はこの映画を『歩み寄るには長い年月が必要だという映画』と感じました。 偏屈な老婦人を演じたタンディがとても素晴らしい!彼女はこの映画でアカデミー主演女優賞の最高齢受賞女優になりました。当時80歳! 残念ながら94年に他界されましたが、ヒッチコックの『鳥』でもおばあちゃん役をやっている、名女優です。 あと、言うのも面倒だけどモーガン・フリーマンの渋さ!彼の出演作では『グローリー』が最高だけど、この映画での缶詰のくだり、ルーサー牧師の演説に行かないかとデイジー婦人にギリギリに言われて怒るシーンなどは、心に残るシーンです。 最後のシーン、惚けたデイジーにホークがパンプキンパイを食べさせてあげるシーン、何十年もの歳月と痴呆という残酷な現実を超えないと、主人と使用人以上の、友人または親子のような関係になれなかったんだろうな。 ホークは自分の主張をしているにもかかわらず、使用人の域を超えないとある解説に書いてあったけど、果たしてそうか? 使用人はあくまで使用人。主人は主人だろう。デイジーも被差別者(マイノリティ)であるユダヤ人である。よって黒人を言葉と裏腹に強烈に差別している。人間はそれだけ弱い生き物なのだという事。 その中において、ホークがあまりにもまっとうで、正直で、誠実で、善人に描かれていることが反対に反感を受けたのだろう。 とにかく、何度見ても素晴らしい映画です。 【愛情の深さ】 主役二人の演技の素晴らしさ!75点。 |
双生児 | 1999年:日:84分(塚本晋也監督作品)本木雅弘/りょう | |
【ストーリー】 明治末期。大徳寺雪雄(本木)は、大徳寺医院院長としての地位と名誉、そして若く美しい妻、りん(りょう)に囲まれ、誰もが羨むような境遇にあった。ただ気掛かりは、りんが雪雄と出会う前に遭った大火事のせいで記憶喪失になっていることだった。やがて、そんな彼に次々と不幸が襲い掛かる……。 |
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【感想】 えー、塚本ワールド炸裂です・・・。とはいえ、監督のほかの作品をほとんど見ていません。すいません。 清順監督の『陽炎座』に似ているところがあるかな?とにかく!!眉がない!眉がない!ま・ゆ・げが〜なーいー!! 眉毛がないことによって自己のアイデンティティ、現実感を消している。 そして全編アテレコなので、口元と音声に違和感があります。でもそれは、監督の策に見事はまっちゃってるってことなんです!! みょーに時代考証綿密なのに貧民窟の表現はファンタジーっぽくしてある。貧民窟=異世界という位置づけですね。まさに乱歩の世界・・・。そして、今使ってはいけない言葉へのワンクッションにもなっているんです。 とにかく、りょうさんともっくんがいい! つくりが演劇っぽくて、でも映画でしか表現できない映像で、編集が上手い。 浅野さんと竹中さんは友情出演程度にしか出てきません。そして、もたいまさこ氏の老女中姿がみょーに自然体・・・。本木さんの二役の上手いこと!!誰も居ない井戸のセットに対してのあの一人芝居。あの、井戸の中に話しかける捨吉の演技はほんと、狂気を感じます。 この映画は『オールド・ボーイ』を輩出した韓国人にぜひ観ていただきたい!! ぴったりだと思うんですがね、感性が。日本の映画の多様性を見せ付けられた感じです。美術誰だろう?衣装もすごく上手い。貧民履はあでやかに。病院は質素な感じです。そこが、貧民履が一つのパラレルワールドという位置づけなんですね・・・。 音楽の使い方もすごく効果的。サントラ買おうか迷ったんですが、結局『地雷を踏んだらサヨウナラ』のサントラの方を買いました・・・。謎。 |
商道(サンド) | 2000-2001年:韓(MBC)放映(イ・ビョンフン監督作品)イ・ジェリョン/キム・ヒョンジュ | |
【ストーリー】 18世紀の朝鮮、とある港町で訳官(中国語の通訳官)を目指すも夢かなわなかった男、イム・ボンヘクが息子、サンオクを訳官にさせようと英才教育を受けさせるが、貧しさのため行商人として中国燕京に行く松商の商団に入り、一攫千金を目指す。 しかし密貿易の汚名を着せられた親子は、死を宣告されるが息子のみ官奴婢(日本で言うエタ・非人)に落とすことで助命され、父は斬首される・・・。 そのときからイム・サンオクの松商への復讐と家族を取り戻すための戦いが始まるが、彼は松商の大房(会長)の娘で絹廛の行首(絹織物の店舗の店長)パク・ダニョンを愛してしまう・・・。 賤民出身の行商人の出身ながらその卓越した商才と、『金ではなく人を稼ぐ』という信条から湾商(松商のライバル会社)の大房となり、朝鮮商界から尊敬を集め、朝鮮のみならず中国、日本とも大々的な貿易を行う礎を築き、最終的には宮廷より従3品堂上官(両班の身分で、しかも王に直接接見できる大臣各)の位階まで登りつめた実在の大商人イム・サンオクの生涯を全50話という長編ドラマで描ききった大河ドラマ。 【参考サイト】【公式サイト】 |
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【感想】 書いちゃいました・・・。今一番ハマっている韓流ドラマです・・・。 日本ではKNTVでしか放映されていないし、DVDにもなっていないし、本国韓国でも同時期に放映された『女人天下』に大負けして、興行成績はいまいちだったらしいんですが、『大長今(宮廷女官チャングムの誓い)』の監督が『大長今』の前に作った作品で、主人公が地味だったり、庶民ネタだったり、時代があまり古くないにもかかわらずこれが意外と面白い!! 始めは『大長今』にハマって踏み込んだ韓国大河ドラマですが、ぶっちゃけチャングムより面白いんですよ。 突っ込み要素はチャングムより多いんですが、(子供が成長しないし、主要人物以外は結婚もしないし歳もとらない。サンオクが初めから年取ってるとか・・・)なんたってサンオク役がヨン様やユン・ソナが出演していた『愛の群像』のギルジン先輩っすよ!!(マイナー情報) そのほかも超豪華メンバー。名前知らないでも見たことある顔ばっかです。 で、全50話・・・ 長い。 長いぞ韓国!!! 韓国の歴史ドラマって、日本の大河や金曜時代劇と違って若者にもうけているところが凄いと思う。 だからその分、実在の人物をモデルにしていても、かなり脚色しているですよね。 チャングムだって石焼ビビンバは作らないっての!! で、この『商道』ですが、商人たちの攻防とロミオとジュリエット張りに結ばれない恋人達を突っ込みながら見るので、かなり疲れます。 主人公のサンオクは、頭が良くて人格者なんだけど、お父さんは殺され、自分も奴婢にされて商人の下働きからだんだん上り詰めてその商団のトップに・・・というところでまた商団は潰されて、恩師の社長も殺され・・・今度はその商団を再建、県知事的役職まで与えられ・・・というところで役職を降り、民に財産を分け与えて天寿を全うしたあっぱれな人(実在者)です。 なのに、好きな人は敵の娘(本当は嫁)で、結婚できずに、最終的に彼女は実家の商団を引き継ぎ、まっとうな商売をする商団に成長させるというかなりほろ苦いラブストーリー! サンオクよ・・・あんたただのおっさんなのになぜそんなにもてるんだ? というわけで、韓国ドラマやヨン様が苦手だけど大河好きな方にはかなりオススメですよ! 【愛情の深さ】 全50話、一気に見ること間違いなし!自営業の方は見るべきでしょう! 90点! |
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