鶴田謙二 KENJI THURUTA (日本:1961-)

1986年に「広くてすてきな宇宙じゃないか」でデビュー。
結構古い話だ。ちなみに私はその頃保育園児であった。どうでもいいが。

かなり作品の公開ペースが遅いイラストレーターとして知られる。画風はのびのびとした油彩画風、特に青を基調とした海、空を舞台とした作品を多く手がける。健康的な女の子や偏屈な老人を描くのを得意とする。ファンの間では『鶴謙』と呼ばれている。

イラストレーターとしてゲームや企画本やアニメ原画に関わるが、クレジットされていなかったり、漫画を描いても飽きてしまって途中で連載を辞めてしまったりとかなりルーズな仕事振り。しかし根強いファンは国内国外問わず多く存在している模様。

漫画はSF的要素が強く、難解な物理理論を駆使したり(かなり意味不明)それでいて19世紀や20世紀初頭のノスタルジックな時代設定を好む。素人には手を出しにくい人なのだろうか?

作品総評 The Spirit of Wonder (ざ すぴりっと おぶ わんだー)1988年/1997年
『広くてすてきな宇宙じゃないか』
『The spirit of wonder 1 満月の夜月へ行く ファーブル博士と瞬間物質移動機』
『The spirit of wonder 2 星に願いを スケルマーズデイル博士とミクロ宇宙』
『The spirit of wonder 4  リトル メランコリア  ドロッセルマイエル博士とタイムマシン』
『The spirit of wonder 5  潮風よ縁があったらまた逢おう 植木田均博士と冷線砲』
『The spirit of wonder 6  時間の国のマージィ  アボット博士とタイムキーパー』
『The spirit of wonder 7  夏子  御前崎博士とクローン人間』
『The spirit of wonder 8  少年科學倶楽部火星へ  ウィンディ・リンドヴァーバーグ博士とエーテル飛行船』
その他、チャイナさんシリーズを収録。超分厚い。読みきるまでかなりしんどい。がしかし。鶴謙の漫画では初期作品より最もファンから愛されている単行本。ノスタルジックSFファンタジー集という感じか?ありえない学説を大真面目に、それで居ながら茶化しつつ漫画化している。読んだ当時、私は中学生。なぜかかなり熱狂した。
ジュール・ベルヌへのオマージュが多数。女性よりも男性向きかと思われ。
ところで!!↑の『少年科學倶楽部火星へ』でウィンディの夫が盗み出した『火星儀』を覚えておられるだろうか?
なんと日本にそれを販売しているサイトがあった!ご覧になってみるのも楽しいかも・・・。
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SF名物 初期作品集(えすえふめいぶつ しょきさくひんしゅう)1997年
超初期作品集。ちなみに現在手元に無いため中身はほとんど覚えておらず。けっこうBOOK OFFでもお見かけするようになった、鶴謙の同人時代の作品集。当然ながら絵が古い。そして中身がマニアック。『頑張れ、日本のお父さん』とか収録されていたような・・・。コアなファンでなければ絶対買わないであろう珍品。
別にお勧めはしていない。

水素―hydrogen(すいそ − はいどろげん) 1997年
鶴謙の画集で一番有名。画集なんだけどカラー漫画あり。画集なんだけど半分くらいがモノクロ漫画。で、描くのめんどくさくなったらしく後半はプロットのみで続け、最後は尻切れトンボで終わらせる強引さ。
現在でも発売しており一見の価値はあるが、さりとて死んでも手に入れたいと言うほどでもない。しかし、人気のチャイナさんシリーズも漫画で収録されており、ある意味4700円出してもファンなら勝手当然というアイテムか?
私は持っていませんがね!

Eternal(えたーなる)1998年
完全予約販売だった画集。いまや絶版となっているものの、インターネットでは出回っている模様。
『水素』と違ってこっちはまともな画集。通し番号、解説書つきの一枚一枚が離れてポスターになるようになっている凝った造り。特に解説書である『鶴田謙二取扱説明書』には当時迄の発表作品全ての登場人物や設定、名前の由来や小道具等が細かく書かれていて◎。
手に入るなら鶴謙の魅力を一番感じられるかと。